ココで解決できるお悩み
「知り合いが合同会社を設立したけど、そもそも合同会社って?」
「個人事業主にとって、使い勝手のいい会社形態です」
合同会社とは
アメリカのLLC(Limited Liability Company)をモデルにつくられた会社形態です。
大学の授業で習いましたが、ふだん全くご縁がないので、
経営法務の講義でおさらいしました。
出題実績
合同会社については、平成30年の1次試験で出題されました。
https://www.j-smeca.jp/attach/test/shikenmondai/1ji2018/E1ji2018.pdf
合同会社は、当事者間で最適な利害状況を自由に設定することを可能とすること
によって、事業の円滑な実施を図り、法規制による保護ではなく、
利害関係者の自己責任による問題解決に委ねるという会社類型である。
株式会社と合同会社を比較した記述として、最も適切なものはどれか。
ア 株式会社の株主は、会社債権者に対して間接有限責任しか負わないが、
合同会社の社員は、会社債権者に対して直接無限責任を負う。
イ 株式会社の場合には、資本金を増やさずに出資による資金調達を行うことはできないが、
合同会社の場合には、資本金を増やさずに出資による資金調達を行うことができる。
ウ 株式会社の場合にも、合同会社の場合にも、純資産額が 300 万円以上でなければ、
配当を行うことができない。
エ 株式会社の場合にも、合同会社の場合にも、貸借対照表を公告しなければならない。
株式会社との比較が問われていますね。
合同会社のメリット
主なメリットを紹介します。
まず、株式会社と同じく、
出資した人の責任が有限
なので、会社に借金があっても、出資額の範囲で責任をおえばOKです。
リスクが限定的なので、嬉しい制度ですよね。
節税メリットが個人事業主より大きい
という点も魅力的です。
個人事業主への課税は累進課税です。
たとえば、所得900万円以上への累進課税は33%、1800万円以上への累進課税は40%です。
一方、合同会社への課税は法人税となり、
所得が800万円以下なら22%、800万円以上なら基本30%となっています。
■所得税などに採用される累進課税制度とは
節税メリットが大きいですよね。
デメリット
株式会社と似ているように思いますが、違いも多く、こんなデメリットがあります。
スピーディーに意思決定しにくい(出資者が2人以上のとき)
合同会社は、
人に重きを置く組織体
といわれています。
出資金額に関係なく、1票ずつの議決権をもっているため、
意見が対立すると、経営に支障が出る可能性があります。
ただ、自分だけが出資していれば関係ないですよね。
株式会社にくらべて信用されにくい
株式会社は社外に経営成績や財務状態を公開することで、会社の信頼性を保っています。
ですが、合同会社にはそういった義務はありません。
ですので、社外から信用されにくいわけです。
GAFAの日本支社には合同会社が多い印象ですが、
親会社が有名なので、デメリットをうまく解消できていますよね。
知名度のない合同会社は、銀行からお金を借りにくいので、
資金調達の手段については、あらかじめ考えておきましょう。
上場できない
株式会社とちがって、合同会社は株式をもっていないので、上場できません。
このようなデメリットがあるからか、
西友は、2022年1月に株式会社に組織変更したそうです。
資金調達をラクにしたかったのかもしれませんね。